Q -よくあるご質問

電気ニッケルめっき液中の不純物とは？

A -プレス表面処理一貫加工.comからのご回答

電気ニッケルめっき液中の不純物には、例として銅、亜鉛、鉄等のニッケルとは異なる金属不純物、油脂類、光沢剤等の有機不純物が挙げられますが、日々めっき作業を行う中で様々な経路から、めっき液中に混入する可能性があり、この不純物がめっき液中に蓄積されると、最終的にはめっき品質の低下に繋がってしまいます。この品質影響を防ぐためにも不純物の混入を未然に防ぐことが大切になりますが、不純物の混入を完全に防ぐことは困難であることから、不純物の混入を可能な限り抑制し、定期的にめっき液中の不純物を適切な方法で除去することが、めっき品質を維持するうえで重要な管理ポイントとなります。

〇不純物の混入原因

• めっき液槽内に製品が落下したことによる異金属の溶解、陽極ブスバー（異金属）からの金属溶解、前工程から製品に付着した異なる液の持ち込み、有機光沢剤の分解生成物、大気中のゴミ、ホコリ等の有機不純物、まためっき槽・配管等の装置自体が腐食することによる不純物混入等が、一般的に想定される原因として挙げられます。

〇電気ニッケルめっきへの影響

• 不純物の混入によるめっきへの影響はピンホール、ざら、色むら（光沢不良）、無めっき等の目視で確認できる外観不良、めっき皮膜応力の物性低下による皮膜硬度、割れなどの不良、また密着不良、耐食性の低下等が挙げられます。

〇一般的な不純物除去の方法

• 活性炭処理：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　めっき液中の有機不純物を活性炭に吸着させて除去する方法です。めっき浴に活性炭を入れ撹拌し、連続的にめっき液をろ過することで不純物を取り除きます。
• 弱電解処理：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　低電流部に析出しやすい金属不純物の除去に用いられる方法です。鉄板、金網等を陰極として低電流密度で処理を行うことで、めっき液中の不純物を電極に付着させ不純物を除去することができます。

まとめ
めっき液中の不純物を除去することは、めっきの品質と性能を維持するために大変重要です。不純物の種類や影響を理解し、適切な方法で除去することで、高品質なめっき皮膜を実現できます。